2023年11月6日
塩化アルミニウムベンザルコニウム液を使用していると乳がんになるかもしれないと不安になる方がいらっしゃいます。
結論から言うと、塩化アルミニウムベンザルコニウム液を使用して乳がんになることはありません。
また、現実に塩化アルミニウムベンザルコニウム液や類似の制汗剤で乳がんの発生が報告されたことはありません。
信頼性の高いソースとして、国立医薬品食品衛生研究所の「食品安全情報(化学物質)No. 3/ 2020(2020. 02. 05)別添」に記載があります。
引用すると「これまで、制汗剤からのアルミニウムの摂取と乳がんの因果関係についての科学的証拠はない」、「現在の証拠はアルミニウムを含む制汗剤の使用が乳がんを発達させるリスク要因となる可能性は低いと示唆している。」とのことです。
おそらく「科学的根拠はない」、「可能性は低いと示唆している」といった表現が、逆に考えると僅かでも乳がんになる可能性があるのではないかと不安が生じるのだと思われます。
また、乳がんと関係があるかのような論文が発表されていることも不安の一つだと思います。
通常、論文は断定的な表現はしませんし、極めて限定的な条件下での限定的な見解を示すものです。
こういったことはよくあることですので、一般的な情報が欲しい場合は、学会や公的機関の整理した情報が無難です。
ただし、塩化アルミニウムベンザルコニウム液がどんな使い方をしても副作用が無い全く安全な医薬品かと言えばそうではありません。
起こりうる副作用に注意してご使用ください。