姫路市飾磨区のえびす調剤薬局
えびす調剤薬局
月・火・木・金曜日 9:00~12:00 17:00~18:30 水・土曜日 9:00~12:00

薬局製造販売医薬品(薬局製剤)とは

薬局製剤(薬局製造販売医薬品)とは

医薬品を販売する薬剤師自身の手で作るという制度が昔からあります。このような医薬品は薬局製剤(薬局製造販売医薬品)と呼ばれています。
漢方薬局をご存知でしょうか。相談を受けて、体に合った漢方薬を作ってもらう薬局です。漢方薬が一番よく知られている薬局製剤だと思います。
薬局製剤には漢方薬以外にも西洋薬もあります。当店はどちらかと言うと西洋薬に主軸を置いています。法的には、下図のように、医療用医薬品でも、一般用医薬品でもない特徴的な医薬品です。

薬局製剤(薬局製造販売医薬品)の歴史

我が国の薬事制度において薬剤師や薬局が初めて詳細に定義されたのは明治22年3月15日の「薬品営業並薬品取扱規則(いわゆる「薬律」)」です。第1条には「薬剤師トハ薬局ヲ開設シ医師ノ処方箋ニ拠リ薬剤ヲ調合スル者ヲ云フ薬剤師ハ薬品ノ製造及販売ヲ為スコトヲ得」と書かれています。 この条文をもとに「調剤」と薬局製剤の元となる「医薬品の製造」が根拠づけられることとなりました。 ところが、薬律が施行された当時、さまざまな理由により、医薬分業が行われず、薬局の調剤室は使われない状態でした。
そこで、当時の薬剤師達は、複数の医薬品を混合して販売する「混合販売」を行うようになりました。これが、現在の複数の医薬品を混ぜて作る薬局製剤の基礎になっています。
当時の行政府は混合販売を適法と判断していましたが、医師側からの無処方調剤の疑いの訴えにより裁判沙汰となりました。その結果、混合販売は違法となりました。
混合販売が行えなくなった当時の薬剤師達は、薬律とは別の法律である「売薬法」に活路を見出します。つまり、製造業者として各薬局が独自にその配合成分を決めて製剤の製造と販売の許可を得るようになっていきました。
その後、売薬法と薬律は廃止され薬事法に統合されることで「日本薬局方に記載されていない医薬品」という日本薬局方外の医薬品が生まれ、薬局製剤は法的に安定した立場になります。
さらにその後、多くの法改正を経て現在の薬局製剤に至ることとなります。

なぜ薬局製剤を売っているの?

薬局製剤は原料から直接作るので、一般用医薬品と比較して特徴が出せるという点があります。価格であったり、パッケージであったり、法令やモラルの範囲内であれば個性的な商品が作れることです。また、含まれる成分も個性的な医薬品も多いこともあります。これらは消費者の選択肢を増やすというメリットにつながります。
そして、販売する薬局側としても大きな意義があります。「調剤」、「医薬品の製造」、「医薬品の販売」の3つが薬局の三大業務と言われています。
「調剤」は昨今、その在り方が大きく変化し、社会的価値が高まっています。「医薬品の販売」についても同様です。セルフメディケーションの推進と共にその価値が高まっています。しかし、「医薬品の製造」はと言えば、薬局製剤を作っている薬局が年々減ってきています。
「調剤」は薬局の成功の歴史であれば、「医薬品の製造」は薬局の苦難の歴史です。 我々は薬剤師として薬局製剤の価値を再確認し、保存し続けなければなりません。

どのように作っているの?

薬局製剤の作り方は薬局製剤指針に規定されています。ただ、薬局製剤指針には「〇〇剤の製法により製する」などとアバウトな作り方しか記載されていません。技術が必要な製剤もあるため、書籍や諸先輩方のアドバイス等をもとに工夫をして作っています。

メスピペット
作った後は、その医薬品に有効成分がきちんと入っているか確認するために確認試験という試験を行っています。このショップで販売している医薬品の確認試験はすべて第三者である兵庫県薬剤師会会営の検査センター様に委託しています。