妊娠中や授乳中の方が薬を飲んで良いかどうかについてはかなり個別的です。
インターネットなどで閲覧できる情報は一般論であることが多く、その人が置かれている状況にあった情報でないことが少なくありません。
情報の取り扱いには注意しましょう。
よくある例として、NSAIDsという種類の解熱鎮痛薬は妊婦に禁忌とされているものがあります。これは、妊娠後期に胎児の動脈管の閉塞のリスクがあるからであって、妊娠前期において催奇形性があるからではありません。したがって、一部の解熱鎮痛薬は禁忌であるものの妊娠前期での使用はリスクが高くないと言えます。
また、てんかんの薬のように催奇形性が認められるものの、服用するリスクより服用しないリスクの方が高い場合もあります。
複雑な状況下では、対応が一般的でないことが起こり得ます。
添付文書とリスク評価基準が中心です。残念ながら、国内の添付文書には具体的な危険性の内容は記載されておりません。そこで、米国やオーストラリアの基準を医療従事者は用います。ただし、危険性をカテゴリーに分類することで安易な判断につながる可能性があり、米国FDAの基準は廃止に向かっています。
添付文書で禁忌と書かれている薬が処方されることもしばしばあります。それは飲まないより飲んだほうが良いから処方されます。猜疑心から医師との関係が崩れることは良いことではありません。ご不安があればご相談ください。
お母さんがお薬を飲むと、薬は消化管内で溶けて、体に吸収され、血液内に循環されます。その後、循環している血液から一定の比率で薬が母乳に移行して、赤ちゃんが薬を含んだ母乳を飲むことになります。
添付文書では大抵の薬には「授乳を避けさせること」と記載されています。ほとんどが安全性に関する情報が不十分なことが原因です。
また、危険だからとはっきりわかる場合は「禁忌」の中に記載されます。
「授乳を避けさせること」と言われても、ずっと母乳だった赤ちゃんに突然粉ミルクを飲ませることは難しいことです。結果、服薬の方を諦めるというケースも多くあります。
現実的な解決策が必要で、添付文書と異なった判断が生まれることがあります。
こういったこともあり、医師、薬剤師とのコミュニケーションを大事にしましょう。
※上記内容は、自己判断を促すものではありません。自己判断は避けて、医師、薬剤師へ相談してください。現実的に授乳を避けることは医療従事者は
医療関係者は他の情報源も参考に安全性を評価します。